《短編》幼馴染のその後に
「…結衣のことが聞きたいなら、今聞いてよ…。」
精一杯強がって、あたしは聞き返す。
もぉ熱は下がったはずなのに、心臓が早くて、体中が熱い。
『…ハァ?
違うっつーの!』
…あれ?
『…とにかく、待ってるから!』
それだけ言ったタケルは、友達に呼ばれてあたしに背を向けた。
ひとり取り残されたように、ポカンとしたまま動けない。
そう、あたしは全く気付けなかった。
あたしの知らないところでも、地球が勝手に回っていることを。
だからこの時は、“何て言おう”とか、
“あたしこれから、告白するんだよね?”とかで、頭がイッパイになっていて。
次第に大きくなっていく心臓の音に、底知れぬ不安を感じていた。
教室の空気は、クリスマスムード一色で。
誰かが黒板に書いたツリーの絵を見て、ため息をついた。
振られる覚悟だって、しなくちゃいけなんだ。
結衣に謝る練習だって、しなくちゃいけない。
いやその前に、タケルに何て言おう。
意気込みばかりで、何も考えていなかった。
「ギャー!!」
あたしはこれから、とんでもないことをするんだ。
やっと気付き、教室で大声を上げた。
それを見て笑っている、七海と結衣にも気付かずに。
『…美咲、変なキノコでも食べたの?』
「…いや、あたしのことは放っておいて。」
それだけ言い、呆然と家路に着いた。
進む一歩一歩は、タケルの家にも近づいてるわけで。
刻一刻と、その時は近づいて来るんだ。
精一杯強がって、あたしは聞き返す。
もぉ熱は下がったはずなのに、心臓が早くて、体中が熱い。
『…ハァ?
違うっつーの!』
…あれ?
『…とにかく、待ってるから!』
それだけ言ったタケルは、友達に呼ばれてあたしに背を向けた。
ひとり取り残されたように、ポカンとしたまま動けない。
そう、あたしは全く気付けなかった。
あたしの知らないところでも、地球が勝手に回っていることを。
だからこの時は、“何て言おう”とか、
“あたしこれから、告白するんだよね?”とかで、頭がイッパイになっていて。
次第に大きくなっていく心臓の音に、底知れぬ不安を感じていた。
教室の空気は、クリスマスムード一色で。
誰かが黒板に書いたツリーの絵を見て、ため息をついた。
振られる覚悟だって、しなくちゃいけなんだ。
結衣に謝る練習だって、しなくちゃいけない。
いやその前に、タケルに何て言おう。
意気込みばかりで、何も考えていなかった。
「ギャー!!」
あたしはこれから、とんでもないことをするんだ。
やっと気付き、教室で大声を上げた。
それを見て笑っている、七海と結衣にも気付かずに。
『…美咲、変なキノコでも食べたの?』
「…いや、あたしのことは放っておいて。」
それだけ言い、呆然と家路に着いた。
進む一歩一歩は、タケルの家にも近づいてるわけで。
刻一刻と、その時は近づいて来るんだ。