エゴイズム。
喫茶店を出て地下街を抜けると日差しが眩しく俺を照らし、暖かい風が吹いた。

商店街を歩くと呉服屋、コンビニ、大型ショッピングモールなどが左右に満遍なく聳え立っている。

俺は、煙草と新聞を買うためにショッピングモールの横に佇むコンビニに入った。

定員に自分が愛用している煙草の銘柄を伝え、その間に隣に設置してある新聞コーナーから某出版社の新聞を手に取りカウンターに持って行き、煙草と新聞を買ってコンビニを後にした。

それから商店街を抜けると住宅街が見える、その住宅街に自分が住むマンションがある。

マンションのエレベーターに乗り、自分の部屋に入ろうとドアを開けると音が鳴った。

ドアの内側に設置されてあるポストを探ると茶封筒が入っていた、その茶封筒を持ってベットに腰を落とした。

茶封筒には宛名も記入していない事から誰かが俺の部屋まで来て、直接ポストに入れたのだろうと理解した。

茶封筒を開けて中身を取り出すと予想もしなかった物が姿を現した。

「どうしてこんな物が入っているんだよ」

茶封筒の中には、写真が数枚入っており、その写真に写っている人物は俺だったのだ。

しかも、屋上でサテライトライフルを構えている俺の姿が写っているではないか。

あの時、屋上には誰も居なかったはずだし、誰にも見られてはいない。

理由は分からないが、俺が事件の真相を探る前に誰かが俺を探っているらしい。

本当に厄介なことに巻き込まれたらしい。

コンビニで買った煙草を袋から取り出して煙草を一本吸った。

煙草の煙を肺に入れて口から吐き出すと、白い煙がもやもやと俺の周りを漂っている。

俺の頭の中と一緒だなと思わず苦笑した。


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