エゴイズム。
再び俺は夏目に疑問を投げつけた。

「なぜ君は俺が仲西雄大を殺すことを知っていたんだ??」

夏目はこの現状にそぐわない美しい笑みを浮かべた。

「依頼人があなたのことを知っていたのよ、あなたが仲西雄大を射殺する場所も、あなたの行動を全て把握してたわ。だから、私はその情報を利用して射殺する現場の写真を仲間に撮らせてあなたからお金を揺さぶるための材料を手に入れたわけ」

なぜ夏目の依頼人は俺の行動を全てを把握しているのかを夏目に聞いてみたが、夏目の依頼人は覆面をしているらしく正体は不明で先ほどの内容以外は聞かされていないらしい。

「謎だらけだな」

と俺が言葉を放つと夏目は風で花が揺れるようにくすりと笑いながら言葉を放った。

「そうね、謎だらけだわ。そろそろ雑談は終わりにしてお金をくださいな」

夏目とスーツを着た男は拳銃を取り出して俺に向けた。

「依頼人に内緒でこんなことしてもいいのか??」

と俺が夏目に向けて放つが、夏目は涼しい顔で答えた。

「依頼人から許可はもらっているから大丈夫よ、心配してくれてありがとう」

俺は夏目の発言に苦笑した。

「夏目くんはよっぽど金がすきなんだな」

すると、夏目は俺の発言を軽く否定した。

「少し違うわ、私はただお金に依存してるだけよ。好きなわけではないわ」

次は俺が夏目の発言を軽く否定した。

「依存と好きは同じ意味だろう」

すると夏目はわざとらしく驚いた表情をしながら言葉を放った。

「そうなの??知らなかったわ」

俺の目からは無邪気な少女のように見えた。




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