きみ、いとほし〜幕末純愛抄〜
「よし、できた。源さん、後は運ぶだけなので、先に食堂に行ってて下さい。」


朝ご飯を作り終えた私は源さんに言った。


朝ご飯と言っても、ご飯と味噌汁と漬け物だけと言った質素な物・・・


会津藩お預かりとは言え、目立った働きも無く、浪士組は貧乏なのが現状だった・・・


芹沢一派の人たちは毎日、島原に通ったり、お酒を飲んだりと豪遊しているようだが、近藤一派にはお金が無かった。


「そうかい。じゃあ、平隊士を寄越すからご飯を運んでもらいな。華さんも一段落したらちゃんと食べるんだよ。」


私は隊士のみなさんがご飯を食べ終わってからにご飯を食べていた。

源さんはそれを知っていたんだろう。


「はい。ありがとうございます。」


源さんの心遣いに感謝しつつ、お礼を言った。



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