きみ、いとほし〜幕末純愛抄〜
「さて、ここもだいぶ片付いたし、洗濯した物干さなきゃ。」


朝ご飯の片付けも終わり、洗濯物を干しに行くことにした。


「暑いな〜。」


季節は夏になり、少し動けば汗が出る程だった。


「ん〜。でも、いい天気!これならすぐに乾いちゃうね。」


大量の洗濯物もあと少しで干し終わる時・・・


ガサッ


「そこの女。」


茂みから芹沢さんが現れた。


「芹沢さん・・・」


「女、わしの酌をせい。」


そう言いながら、芹沢さんはガシッと私の腕を掴み歩き出した。


「芹沢さん、ちょっと待って下さい。まだ干し終わってませんし・・・」


私は無駄だとは思いながらも芹沢さんに言ってみる。


「ここの筆頭局長はわしじゃ。わしの言うことが聞けんのか?」


芹沢さんの息から少しお酒の臭いがする・・・


もう、飲んでるのかな?


「・・・分かりました。」


私は大人しく芹沢さんに連れて行かれることにした。


「大変だ・・・」


その様子を物陰から見ていた平隊士がいた・・・



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