きみ、いとほし〜幕末純愛抄〜
「娘。名は何と言ったか?」


私は芹沢さんの部屋に連れて来られ、芹沢さんにお酌をすることななってしまった。


「宮下・・・宮下華と申します。芹沢局長にはご挨拶が遅くなってしまい、申し訳ございませんでした。」


私は震えるているのが分からないように必死で答えた。


「ふむ。まぁ、酒を注げ。」


そう言いながら芹沢さんは私の肩に手を置き、グイッと自分の方に引き寄せた。


「きゃっ。」


予想外の芹沢さんの行動に私はバランスを崩してしまい、芹沢さんにもたれかかる形になってしまった。


「あの・・・芹沢局長。離していただけないでしょうか・・・?」


怖くなった私は震える声で芹沢さんに言った。


「わしは壬生浪士組(ここ)の筆頭局長だ。わしに逆らうなよ?」


芹沢さんはなかば脅すような形で言い私の肩に置く手に力を込めた。


そこへ・・・



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