きみ、いとほし〜幕末純愛抄〜
「分かりました。では、烝さんと呼ばせていただきますね。烝さん、私よりも年上ですし。」


私は年上の山崎さん・・・じゃなかった、烝さんを呼び捨てにする事はできないので『さん』を付ける事にした。


「烝さんかぁ。まぁ、わいはほとんど屯所におらへんさかい、あんま手伝えんかもしれへんけど、何かあったらすぐに言うんやで。」


監察方のお仕事も忙しいのに、私の事も気にかけてくれる烝さん。


烝さんも良い人でよかったな。


と言うよりも新撰組の人たちは皆さん、良い人だな。


「分かりました。ありがとうございます。」


私もニッコリと笑って答えた。


「じゃあ、華は仕事に戻れ。救護班の方は怪我人が出た時で構わねぇ。ああ、とりあえず、包帯なんかの確認はしといてくれ。山崎ももういいぞ。」


「失礼します。」


土方さんに言われたので、先に山崎さんが部屋を出た。


「では、私も仕事に戻りますね。」


そう言って一礼して部屋を出て仕事に戻った。




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