きみ、いとほし〜幕末純愛抄〜
「あの女、芹沢だけじゃ無く、他の隊士にも色目使いやがって。」


土方さんが言い捨てる。


「あの女のせいで屯所内の風紀が乱れるぜ。」


お梅さんの存在は屯所内だけでは無く、壬生村の人間からも煙たがられている。


皆、芹沢さんが怖くて、言えないのだ。


「私もお梅さんは苦手です・・・」


私はボソッと呟いた。


「ああ。華、芹沢もだが、あの女にも近付くなよ?」


土方さんに釘をさされる。


「・・・どうせ2人とも消えてもらうんだ・・・」


「えっ?」


私は土方さんの声が聞き取れなかったので、聞き返してしまった。


「何でもねぇ。俺は仕事に戻る。」


そう言うと土方さんはスタスタと部屋に行ってしまった。


土方さんは何て言ったんだろう・・・?



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