きみ、いとほし〜幕末純愛抄〜
「そういやさ、うち、京都行くん初めてやわ。」



電車に乗り込んで席に座ると私はきり出した。



「へぇ〜。そうなんやぁ。





・・・どうりで思い出さへんはずやわ・・・」



涼が最後に呟いた言葉は私には聞こえなかった。
私は話を続けた。



「うん。何でやろなぁ。京都はすぐ隣やのに。あ!逆に近すぎて行かへんかったんかな。」



「どうやろな。うちと馨は中学ん時からよく京都行ってたわ。
ま、行くとこはいつも一緒。四条大宮界隈やけどな。」



涼が答える。


馨と涼は幼なじみで幼稚園からずっと一緒らしいんだけど、私は2人とは高校から一緒になったんだよね。


「あれ?涼も新撰組、好きなん?」



私は涼に聞いた。



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