きみ、いとほし〜幕末純愛抄〜
「そう・・・ですか・・・」


私はお華さんから話を聞いて驚いた。


私は土方さんはお華さんの事を好いてると思っていたからだ。


「あ、でも、私なら大丈夫だよ。」


お華さんが少し無理した笑顔で言った。


「確かに土方さんの事は好きだけど、私は新撰組の皆が大好きだよ。だから、私は皆の力になりたいし、これまで以上に頑張るつもりだよ。土方さんの事を考えると辛いけど・・・」


最後の一言は消え入りそうな声で呟かれた。


「私もお華さんの事、大好きですよ。」


私はどさくさに紛れて自分の思いを口に出してしまった。


「あはは。ありがとう。私も総司の事、大好きだよ。」


どうやら私の思いは少し違う意味でお華さんに伝わってしまったみたいですね。


まぁ、いいでしょう。


「じゃあ私、そろそろ行くね。総司、話聞いてくれてありがとう。」


そう言いながらお華さんは仕事に向かった。


私はその姿を見送った後、とある部屋に向かうため踵を返して歩き出した。



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