きみ、いとほし〜幕末純愛抄〜
スパンッ


私は目的の部屋に着くなり、声もかけずに部屋の襖を開けた。


「おい、総司!入る時は声をかけやがれ!」


ちょうど休憩をしていたらしい土方さんは煙管をふかしながら言った。


「どういうつもりですか?」


私は土方さんの言葉を無視して言った。


「ああん?」


案の定、不機嫌な土方さんの声が返ってきた。


「お華さんの事ですよ。どういうつもりなんです?土方さん、お華さんの事「言うんじゃねぇ!」」


私の言葉を土方さんの怒鳴り声が遮った。



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