きみ、いとほし〜幕末純愛抄〜
「総司、言うんじゃねぇ・・・」


私はワケが分からず土方さんの顔を見つめた。


「はあ〜・・・」


土方さんは一つため息をついた。


「総司、俺の気持ちは恐らくお前が思っている通りだ。だが、俺はこの気持ちをあいつに言うつもりはねぇ。」


「なぜ・・・?」


私は思わず呟いていた。


「総司、芹沢暗殺の時のお梅を覚えてるか?」


唐突に土方さんが言った。


「はい。覚えていますが、それが何か?」


私はいきなり関係のない話を出された事に苛立ち、いつもより少し低い声で答えた。


「なぁ、総司。俺たちゃ明日をも知れねぇ身なんだよ・・・」


土方さんがそう言った時、私はハッとした。



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