きみ、いとほし〜幕末純愛抄〜
「俺はな、あの時のお梅が華に見えちまったんだよ。」


私は土方さんの考えが分かり、言葉を出せずにいた。


「確かに、俺の気持ちを伝えれば華は俺のもんになるかもしれねぇ。でもな、俺たちゃ毎日、命懸けの任務にあたってるんだ。」


「ええ。だから私はいつでも死ぬ覚悟はしています・・」


私は土方さんの言葉を引き継いで言った。


「ああ、そうだな・・・」

そう言ったきり土方さんは黙り込んでしまった。


「俺はよ、華には幸せになってもらいてぇんだ。愛してるからこそな。だからあいつには悲しい思いをさせたくねぇ。・・・例え隣にいるのが俺じゃなくてもな・・・」


私は土方さんのお華さんに対する思いの深さを知った。


「分かりました。失礼しました。」


そう言い、土方さんの部屋を後にした。


私は土方さんには敵わないなと思った。




〜総司side・END〜



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