きみ、いとほし〜幕末純愛抄〜
「華くんは亡くなられた父上が医者であったそうで、多少は医術の心得があるそうだ。その知識を生かして女中の他にも隊士の手当などもしてもらう事となった。」


近藤さんが幹部隊士に伝える。

そう・・・
私の父上はつい、数日前に病で亡くなってしまった。

母上は私が幼い時、すでに亡くなっている。


私には肉親はもういない・・・



「母上も幼い時に亡くなられたそうで、華くんにはここに住み込みで働いてもらおうと思うのだが・・・」

近藤さんが申し訳なさそうに言葉を続ける。



「今、空き部屋が無く、幹部の誰かと同じ部屋になってもらう事になる。」





・・・・・・はい?



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