苺、

「今日から、高校生かぁ…」



先月まで中学生だった私は、高校生になった。

ずっと憧れだった高校生。
なんだか実感がないなぁ、と思っていると


―・・ドンッ


人にぶつかってしまった。


「ご、ごめんなさい!!」

「…お前、山野由南?」

「へ?」


なんで、子の日と私の名前知ってるのかな…と疑問を抱きながらも、その質問に答えた。


「はい、そうですけど・・」

「俺、矢谷澪。今日からお前と一緒に住むことになったから」


女の子みたいな名前…じゃなくて!
何言ってるのか、わかんないんですけど!


「あの、一緒に住むって…」

「あれ、聞いてないの?おかしいなあ…」

「とにかく質問に答えてくださいっ!」

「まぁまぁ、後でいいじゃん?学校行こうよ、ね?」

「ちょっ、ちょっと!」


強引に引っ張られて私はこけそうになった。
それを慌てて支えてくれた、矢谷澪、…くん。


「ねぇ、なんて呼べばいい?」

「あぁ、澪でいいよ。」

「…女の子みたいな名前だね」

「いきなりそこかよ~。せめてさ「でもカッコイイと思ったよ」

「…え、」

「え?」

「あ、いや…なんでもない」


何が言いたいんだろう、って思ったけどあまり気にしないことにした。
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