苺、
ガララッ――
教室のドアを開け、中に入る。
「えっと~俺の席は…」
「あたしは…後ろから2番目だ!」
「俺、お前の前だ」
「え…あ、ほんとだ」
山野と矢谷だもんね。
そりゃ並ぶこともあるか。
とりあえず、自分の席についてカバンを置く。
なんか処置にから色々ありそうな気がするのは気のせい…?
というか、もうあってるよね。
すると、肩をとんとんと叩かれた。
「ねぇねぇ!前、どこ中だった?」
「あ、あたし西中だったよ!」
「そうなんだ~。あたしは東中!入試のときにいたの、覚えてない?」
「へ?」
「ほら、消しゴム拾ってもらったの、あたし!」
「あぁ!あの時の!?」
「よかったぁ~!忘れられてるかとハラハラしたよ。あ、名前まだだったね。西野里桜。里桜ってよんで?」
「あたしは、山野由南。由南でいいよ~」
さっそく友達できちゃった感じだよね!
初日が大事だもんね。
「由南ぁ。お前なんかお菓子もってね~?」
「持ってるわけないじゃんか!」
「俺、朝飯食ってきてないんだよなぁ」
「あ、あたしチョコ持ってるよ!はい!」
「まじで?ありがとな!…俺、矢谷澪。お前は?」
「西野里桜!なんか響き似てるね~!」
「だな!これならよろしくなっ」
里桜、人見知りとか全然しないタイプだなぁ。
あたしだったら知らない人に貸せないもんな。
見習わないと!
そんなことを思っていると先生が入ってきた。