泣いた赤色、うたかたの青
それから二人は一緒に暮らすようになりました。

女の子はいつも、
少年がいれるお茶を飲んでは、とてもおいしいとほめてくれました。


少年はこのお茶でもてなしたら、村のほかの子も遊びに来てくれるかしらと思いましたが、

相変わらずほかの子供はみんな少年をこわがって、村に下りても誰も近づいてくれませんでした。


けれども、赤い髪や肌をはやし立てられても、
石をぶつけられても、

少年は前ほど悲しくなくなりました。


家に戻れば女の子がいて、優しく微笑んでくれるのです。


それだけで少年は満たされたような、温かな気持ちになりました。


女の子は泳ぐのがとても上手で、一人で沢に下りては魚を捕まえて来ました。

そうしてその手はいつもひんやりと冷たくて、魚のようでした。


この子はひょっとしたら人魚なのではないかしらと、少年は思いました。

そうして不安になって、女の子にあまり沢には行かないでほしいと頼みました。
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