泣いた赤色、うたかたの青
女の子はとても悲しんで、さびしがりました。


少女は彼の気持ちをつなぎ止めようと、

様々な手品を覚えてきて見せたり、
いたずらをして驚かせたり、
綺麗な水草をとってきて、小瓶に入れて飾ったり、

色々と工夫をしてみましたが、
少年の心は女の子以外の友達を作りたいと、そればかり願うようになっていました。


「おれはもっと、友達がほしいんだよ」

と、少年は言いました。

「おまえも、おれ以外の友達を作らないとだめだ」

「どうして?」

女の子はしょんぼりした瞳で言います。

「あたしはコウタと一緒なら、それだけでいいのに」

「おれたちは、こうして二人きりで一緒にいるばかりじゃあ、だめになってしまう」

「わかんない」

女の子の目には、沢の水のようなしずくが光っておりました。

「なにがいけないの?」

少年はイライラして、女の子をにらみつけました。

「おれはみんなと、普通に笑って話したいんだよ! どうしてわからないんだ」
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