それなら君を連れて逝く。
運命
いつもと同じに時間が過ぎて行こうとしていた日の昼休み。

友達の言葉で一気にテンションが下がった。


「たけるくーん?おーい、黒岩尊くーん?」

「だぁ、うるせぇな!」


さっきから黒岩 尊(クロイワタケル)と言う、俺の名前を連呼しているのは、友達の門倉 玲央(カドクラレオ)。


「何だよ?」

「君もね、もう17だろ?だから、そろそろ彼女でも…」

「いらねー。」

「早くね?決断、早くね?もっと悩めよ!相手見てからでも遅くないって。」

「俺、恋愛向いてねーし。」


素っ気なく答えた俺に、それでも玲央はヘラヘラ笑いながら話を続ける。


「そうゆう決め付け良くないよ!君。めっちゃ可愛い子なんだけどなぁ。」

「俺、心に決めた子いるし。」

「は?誰だよ!」


少し睨みを利かせながらキッパリと言い放った言葉に、玲央は至極驚いてみせた。


「運命の人。」

「だから、それ誰はだって聞いてんの!」

「‥‥まだ出会ってねぇし。」

「…。」

「何だよ。」

「とにかく、今度女の子紹介するからな!」


いよいよ真剣に耳を傾けると、玲央の彼女である高畑 加奈(タカハタカナ)

通称 加奈ちゃんの親友である女の子を紹介したいとの事。

しかも、もう日時のセッテイングが完了されていて、断れないらしい。
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