イジワルな俺様の秘密ライフ
「何をした」
かすかに聞こえた大地の声が、
まるで別人のようにかたく冷たくて、
私の体が勝手にびくりと震える。
それがわかったのか、すっと伸ばされた手が優しく私の肩に触れ、
ナツが私の傍にかがみこんだ。
「何をしたのかって訊いてるんだ!」
突然荒げられた声。
見上げた大地の形相は、見たこともない男の人のそれで。
まだ知り合って間もないけれど、大地がこんなに恐ろしい顔をするなんて。
出来ることなら知りたくなかった。
でもそんな顔をさせてしまったのは、確実に私。
とめなきゃ、と思うのに、すくんで足が動かない。
ここからでは海翔様の表情は見えないけれど、
それが余計に私の不安を煽った。