イジワルな俺様の秘密ライフ


大地の顔色が、一瞬にして変わった。



血の気が引き、青ざめた刹那。



激しくぶつかる鈍い音がくぐもって聞こえたかと思うと、

海翔様の体が、机や椅子に向かって背中から倒れ込んだ。



「大地ッ」

私の隣にいたナツが立ち上がり、大地に向かっていくのを、

私は信じられない想いで見ていた。



なんで?

なんで? 大地。



大地は海翔様の胸ぐらを掴んでいた手を、勢い良く押し離したのだった。



海翔様がバランスを崩したのを持ち直したと見るや、大地は苛ついたように言葉をぶつけた。


「大事な顔は殴んないでやったけど、次はねぇぞ。

わかったらもう二度と、アヤに近付くんじゃねぇ」


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