イジワルな俺様の秘密ライフ
そして海翔様の返事を聞かぬうちに、大地は私の元に座った。
「大丈夫か、アヤ」
その言葉の優しさと、そのふわりとした笑顔の柔らかさは、
私が知ってる大地のもので。
さっきまでの大地は夢だったんじゃないかってくらい、よく見知ったものだった。
だけど、
大地が私の頭を撫でようと手を伸ばしたとき、
ビクッと無意識に震えてしまった。
どうしてだろう。
わからない。
わからないけど、大地の優しさが怖かった。
知り合ったばかりの私のために、海翔様に向かっていくような、
まっすぐな大地が怖かった。
それは予感だったのかもしれない。