イジワルな俺様の秘密ライフ
「本人が何もないって言ってるんだから、
あんな仕打ちをされるいわれはないって、わかってもらえたかな?」
「……ああ」
絞り出すような声を出した大地に、私は何も言えなかった。
傷付けただけではなく、裏切ってしまったような気持ちになって、
声を掛ける資格なんてない──そう思った。
そしてその重苦しい空気を打ち破るかのように、SHR開始を知らせるチャイムが鳴った。
そしてそのチャイムに被せるように、海翔様が私に微笑みながら言った。
「でも良かった、元気そうで」
その言葉はチャイムに書き消されたが、
次の言葉はより鮮明に教室へと広がった。
「今朝会えなかったから、何かあったのかと思って心配したよ」
…………
鬼ィィィイ!!