イジワルな俺様の秘密ライフ
ケバ子はひそひそとして話していたのをピタリとやめ、
その代わりに大きな、教室中に響き渡る声で私をののしった。
「うっざ。
あたしそーゆーうざいやつ、嫌いだし。
顔も見たくないから教室出てってくんない?
ほら早く出てってよ」
私のお弁当をひょいと持ち上げ、もう片方の手で私を無理矢理立ち上がらせると、
お弁当を突き出した。
「え、ちょ……」
私の抗議なんて聞こえないかのように軽く流してしまう。
「ほんっと目障り」
お弁当を両手で受け取った私の背中をグイグイ押して、教室の開いてた扉から私を押し出すと、
ガラガラピシャン! と扉を閉めた。
「は、花園さ……」
ガチャンと鍵を掛ける音が私の耳に届く。
「あたしはあんたの味方じゃない。だからあんたの言い訳なんて聞かない。
あたしは海翔様の味方だから」
教室の扉に背を向けているのか、硝子の向こうに、
ケバ子の明るい茶色の髪が揺れていた。