イジワルな俺様の秘密ライフ
私はお腹にぎゅっとチカラを入れて、自分自身に気合いを入れた。
よしっとわざと声を出して、キッと扉を睨み付ける。
何を言うかなんて全く考えないまま、
私は扉を開けた。
刹那。
「アヤのこと本気なのかって、訊いてるんだ」
大地のよくとおる声が、
聞こえた。
「あたしも訊きたいわ、ソレ」
ナツの言葉にズキンと胸が苦しくなった。
教室はシンと静まり返っていて、ほぼ中央の辺りで海翔様を目の前に、大地とナツがこちらに背を向けて立っている。
海翔様の表情は二人の影になっていて、よく見えない。
このまま知らなかったフリをして、扉を閉めて教室に戻ろうかと思うくらい、長い長い間があった。
「それは何か君たちに関係あるの?」
言い放った海翔様の声はひやりとする程冷たく、私は扉にかけていた手にギリッと力を入れた。