イジワルな俺様の秘密ライフ
海翔様はそんな私と二人を可笑しそうにチラと見たかと思うと、
微笑みを絶やさずに言った。
「友達だけだったら言う価値はないけど、アヤさんがいるなら話は別だね」
そう言って、更ににっこりと微笑む。
私の方を向きながら、信じられない一言を放った。
「好きだよ、アヤさんが」
ざわついていた教室が一気に静まり返り、
それが感じとれた頃には、私の鼓動だけがうるさく耳を打ち始める。
そして教室内は女子生徒たちの悲鳴で溢れた。
「アヤさんは?」
目を細めた海翔様は、おそらく私にしか見えない角度から、意地悪な笑みを浮かべる。
それを見た私は、気付いてしまった。
私を、大地たちを
からかってる……
ずしりとした鉛のようなものが、胸を圧迫した。
あぁ私、とてもショックをうけてる。
どこか冷静に見ている自分。
だからか自分の気持ちがわかってしまった。
私、海翔様のことが――
すき……
でもこんな空気のなか、言えるはずもない。
私は無言で海翔様に背を向けて、そのまま逃げるようにその場を離れた。