イジワルな俺様の秘密ライフ
「……ったく、手間かけさせんな」
突然の声と共に、ぺしっと軽く払うように頭を叩かれる。
「探したよ~!?」
手が伸びてきて、ぎゅっとしがみつかれる。
「だ、だいち……ナツ……」
戸惑う私に、ナツはぐいっとカバンを押し付けた。
「ほら、カバン。
ったくもう、まさかこんなとこにいるとはね!
盲点だった。
おかげで午後の授業全部サボっちったっつ~の」
もしかして、私を探してたの?
お昼休みからずっと……?
「放課後になったからカバン持って探すことにしたはいいが、
先生の目を盗んで教室に戻るの、大変だったんだからな。
ほれ、大地大明神に感謝するように」
「っつーか戻ったのはあたしでしょ?
大地何もしてないじゃん」
「ちょ、おま……先生に見つからなかったのは俺が見張りしたからこそだろ!?」
「うるさい、声デカイ。
超えらそーだし。
ちょっとアヤからもこのアホに何か言ってよ」
私を責めるでもなく、変に慰めるわけでもない二人。
「ありがと……」
素直に言葉が出た。