イジワルな俺様の秘密ライフ


ナツ、ごめん……

大地、ごめん……



そう思ったら自然に口から言葉が飛び出した。



「違うの……」



思ったよりスルリと言葉が出て、

一度出てしまえばあとは次々に溢れ出した。



「あのとき二人からは見えなかったと思うけど、

海翔さまは……

あたしをからかってたの。

だからあれは告白じゃなくて、ただのイジワル。

あたしに対してのイジワルだったの……」



全てを話してしまうと、涙がぽろりとこぼれ落ちた。



「アヤ……っチクショウあいつ……!!」



ガンッと壁を殴りつけた大地は、扉から出ようと勢いよく体を反転させた。



「待って、大地!!」



私が止めるよりも先に、ナツが大地を引き留めていた。



「離せよッ!!」


「ちょっと待ちなさいよ、このアホ大地!!」



一喝したナツは大地から私に視線を移し、真摯な眼差しで私を見つめた。



「いい?

アヤは海翔さまの教室を出て行ったあとを知らないから、そんなおかしな思考に囚われたのよ。

あたしが見たことを教えてあげる。

それから結論付けても遅くはないと思うよ」


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