イジワルな俺様の秘密ライフ
イジワルをすれば、私は海翔さまのことを考えざるを得ない。
むかついたり、
ドキドキしたり、
怒ったりハラハラしたり。
表情をくるくる変えるのが楽しくて、と。
だけどそんな言葉は全て『言い訳』に聞こえた。
ちょっとつついたら反応して。
ちょっとからかったらもっと反応して。
だけど恋は困まるとばかりに
私が何かを言う前に、
一線を引かれた気がした。
息を切らせて駆け寄ったときに見せた表情は、
私の気持ちが海翔さまに気付かれたからなのか。
黙り込んだ私に、海翔さまは「ごめん……」と呟いた。