イジワルな俺様の秘密ライフ
寮はこざっぱりとした新しい建物だった。
玄関を入ると、これでやっと解放されるとばかりに「ではまた明日」と王子様に言ってやったが、彼はにっこりと「またあとで」と返してよこした。
それには返事をせずに、私は一礼して背を向ける。
ぱたぱたとスリッパの音をたてながら、私は自室としてあてがわれた部屋へと向かった。
階段を上り、二階へ上がる。
三階建ての寮はひとつの階に3つの部屋がある。
寮はいくつか隣接していて、今は使う人が少ないからこの一番小さな寮だけが開放されていると学校案内できいてはいたけど。
まさかそれが王子様のせいだったとは。
恐るべし、王子様。
バカなことを考えながら、私は二階の一番奥の部屋へと向かった。