イジワルな俺様の秘密ライフ


その笑顔を見て、私はようやく思い出した。



「あ……っ

あたし、昨日──」


「思い出したか。
まぁ……そういうことだ。

心配するな。学校の女共には俺がなるべく気を配っ──」



この状態では表情がよく見えない海翔が、何故か耳を赤くしながら何かを言っていたけど、

私はそんなことよりも大変なことを思い出し、そちらに思考は支配されていた。



「ナツをほったらかしにしたまま帰ってきちゃった!!」



ヤバいヤバいと口にしながらケータイを取り出して、謝罪文をメールする。



「あー、ナツが許してくれますようにっっ

そうだ、大地にも──って、ああ!!

ちょ、何すんのっっ」



大地にもメールをしようとしたところで、ひょいとケータイを取り上げられる。



私が取り返そうと必死になっても軽くあしらわれ、カチカチとケータイを楽しそうに操作している海翔に、

嫌な予感がした。



< 153 / 290 >

この作品をシェア

pagetop