イジワルな俺様の秘密ライフ
しかしナツの思惑は惜しくも崩れ去る。
「おいおい、こんなとこで何をやってるんだ。
お前ら何年何組のどいつだ?」
先生登場にピンチ!!
「あ!」
抵抗する間もなく、段ボールという隠れ蓑が先生の手によって脆くも剥奪される。
ざわつく廊下。
ひそひそと「いた」「あいつだ」「桜野亜弥だ」という声が聞こえる。
「ったくお前ら……三人とも、生徒指導室についてこい!」
がっちりと大地と私の手を握って、くるりと背を向けた先生になすすべなく。
覚悟を決めて一歩踏み出したとき、
「ちょーっっと待ったぁぁぁあ!!」
という声が聞こえた。
「桜野亜弥さん! 実は俺桜野のさんのことが」
でも先生はお構い無しにズルズルと私を引っ張っていく。
「す、す、す、す……」
そんな私たちを早足で追いかけながら、その男子はなんとか言葉を言おうとタイミングをはかっているようだった。