イジワルな俺様の秘密ライフ


声のした方をギンッと睨み付ける。

刹那、彼らに気付かれないうちに視線をそらした。



……言えない。

だってなんかチャラチャラしてて怖いもん……

っつーか。



「せ、せんせ!
あたしらよりもほら、あそこの三人、校則違反では!?

由々しき事態ですよ、あの三人を見逃したら先生の沽券に関わりますよ」



こそこそと先生に告げ口をする。


呆れるなら呆れればいいよ!



でも先生はチラッと三人を見て「あとで担任に言っとく」と言っただけだった。



なんで!?

明らかに校則違反のやつらを見逃すくらい、私たちは不審な行動をしてたの!?



……してたかもしれないけど。



でもあれはナツの作戦で……って。



「そう言えば、ナツは……?」



私はひそひそと大地に話しかけた。



先生は腕が二本しかない。

当たり前だけど。



一本は私。

一本は大地。



……んん?



「おまえ今頃気付いたのかよ」



大地は哀れむような瞳を私に向けながら、深く溜め息をついた。



なんかナツがいないことよりもある意味ショックなんですけど。


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