イジワルな俺様の秘密ライフ

むしろなんだか会話が楽しい、ような……



「しかし大変だね。

まだ行列作ってるよ？」


にこにこと笑いながらも、少し困ったように眉をへの字にしている仕草が嫌みじゃなくて、

心の底から私の今の境遇を大変だと思ってくれているように感じて、

私は思わず本心を出していた。



「本当に。まさかこんなに面倒なことになるなんて」



私の溜め息まじりの言葉に、肯定の頷き。



「そうだろうね。

俺も本当はこんなことしたくなかったんだけどね。

でも、やって良かったな」


「え？」


「だって君に逢えたでしょう。

もしこんなこと引き受けなければ、逢えなかったわけだし。

先生に感謝かな」



ああやっぱり先生に頼まれて来たんだ。



「それに、思ってたより全然いい子みたいだし。

それがわかっただけでも、引き受けた甲斐があったよ。

澤崎くんが好きになるのもわかる気がする」



そう言われてなんだかドキンとしたのは、多分気のせいだ。



「そこで提案なんだけど」



真面目な顔になったシュウさんが言ったのは、

驚くべき提案だった。