イジワルな俺様の秘密ライフ


もう一度「ごめんなさい」と頭を下げた私に、

シュウさんは苦笑いをした。



「いや、こっちこそゴメン。

そっか、海翔から身を引いてはくれないか」



残念、と呟くシュウさん。

私は唇をきゅっと引き締めた。



自分の中にある海翔への想いがこんなにも強くなっていたことに驚きながらも、

それを認識したことで少し強くなれた気がする。



行列なんか怖くない。


私の想いはブレないから。



「本当にすみません。

海翔がこんな私を構ってくれるあいだは、

私は海翔のそばにいたいと思います……」



あえて『構ってくれる』という言葉を使った私に、

シュウさんは複雑な顔をした。



だけどそれについては特に何も言わず、

「わかった」

と頷いた。



「でも今の言葉をきいて、君に興味が湧いたな。

しばらく観察させてもらうよ。

ブレたら、さらうためにね」



……はい!?



本日何度目かのポカン顔に、シュウさんは優しく笑った。


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