イジワルな俺様の秘密ライフ
その頷きを合図にしたかのように、
スッと海翔が離れたのが少し寂しい。
「じゃあ……また明日」
なんて。
何事もなかったかのように落ち着いた声。
だけどその声色は、余韻を残すような響きで、
私の胸に甘く伝わった。
「うん。また明日……今日はありがとう」
ドアの取っ手に手をかけたけど、海翔はその場から動かずに私を見ていた。
ためらう私に、「入るまでいるから」と言い、優しさが持続してると感激したのに、
それをぶち壊すくらい余計な言葉まで付け足してきた。
「風呂も付き合おうか?」
「け、結構です!!」
あまりにも怖いから明日の朝入るもんね!
「あ、もしかして明日入ればいいやと思ってるのか?
日が射すと外から丸見えだけど」
「ウソ!? え、本当に!?」
あまりにサラッと言ったので、私はうっかり信じかけた。
でもよくよく考えれば、そんなことあるはずがない。
おいおい信じるなよ、と笑うけど……
言ったのは海翔じゃぁぁあ!!