イジワルな俺様の秘密ライフ
その夜、ドキドキしてなかなか眠れなかったのは言うまでもない。
ちなみにお風呂は、色んなことで頭がオーバーヒート気味だったから、
怖い思いをせずに入れました、はい。
まさかそれも海翔の計算……?
いやいやまさか。
まさかだよ、ね?
―――――…
そして迎えた翌朝。
寮では気恥ずかしさから海翔を避けるようにしてしまい、
そそくさと学校に来て思い出す。
「げー忘れてた……ってか、なんか怖い……」
ズラリと並ぶ男子生徒たちの姿に、溜め息。
一歩進むにつれ、一告白という青春だぜヤロウ共。
「桜野さん、好きです」
「断る」
「桜野さん好」
「断る」
「桜野さん」
「断る」
……そろそろコピペでいいですか、と問いたい。
げんなりした頃、後ろから快活な声が聞こえてきた。
「おはよう、アヤ」
断る、と言いかけると、すいっと隣に並ばれ、
太陽の日射しのような微笑に、断るという言葉を飲み込んで、違う言葉に作り替えた。
「おはよっ、大地」