イジワルな俺様の秘密ライフ
にかっと笑う大地のいつもの笑顔は、ひだまりみたいでホッとする。
自分では殆ど感じてなかったけど、もしかしたら凄く気を張ってたのかもしれない。
大地の顔を見た瞬間に気が緩み、突拍子もないことを言ってしまった。
「ねぇ、大地。
キスのときっていつ息すればいいのかなぁ……?」
「はぁ!?」
刮目された大地の表情を見て、ようやく自分の失言に気付く。
昨日のことをあまりに考え過ぎていて、ついうっかり口に出してしまったのだ。
「や、ゴメン、今のなしっ」
両手をブンブンと振った私に、
「朝からなーにやってんの」
と背後から、背中をコツンとつつかれた。
振り向くと、ナツが呆れた顔で私を見ている。
「おはよう、ナツ」
「おはよう。
なに、海翔さまと息もつけないキスでもしたの?」
「ぶっっ!! ナツ、ちょ……あのっ……」
「何今さら恥ずかしがってんの」
ふわぁとアクビしたナツとは対照的に、私はびくびくと周りを見渡す。
周りには聞こえてなかったみたい。
「あたしがそんなミスするわけないでしょ」
……ですよねー