イジワルな俺様の秘密ライフ


キョロキョロしていた視線を戻そうとした刹那、

どんっと何かにぶつかる。


「わぶっ」



またしても可愛らしさのカケラもない声をあげ、鼻を擦りながらぶつかったものを見ると、

さらさらと真っ白な砂になりかけてる風の

大地だった。



「ちょ、ナツ、大地が砂になりかけてる!!」


慌てふためく私と、燃え尽きた消し炭みたいな大地をチラと横目で見たナツは、

深い溜め息をついた。



「そろそろ大地も現実を見るべきなのよ」



ナツの言葉に引きずられるように、大地はフラフラと歩き出した。


「キス……キス……」


サッサと先陣を切るナツの後ろを、大地はブツブツと呟きながら昇降口へ消えていく。



その後を追うように続く私。


うざったい告白に「断る」を連発しながら、昇降口にてローファーを入れようと、靴箱をパカッと開けたとき、

ドサドサドサドサーッと何かが落ちてきた。


< 234 / 290 >

この作品をシェア

pagetop