イジワルな俺様の秘密ライフ
「でも、なんで海翔様の分まで私が?」
海翔様も他の男子と同じように、隣にある大型の寮に移り住んだのだと思ってそう言ったのだけど。
「俺もここに住んでるから」
と爽やか笑顔で言われた。
……は?
「女の子一人じゃ物騒だろ」
「……どっちかと言えば、一つ屋根の下に二人の男女の方が物騒なんじゃないの?」
もしくはそれがバレたときの校内が物騒になる気がする。
くらくらとする頭を支えるかのように、額に手をあてた私の仕草を、
海翔様は鼻で笑った。
「俺様が平々凡々以下のやつに、一体何をするっていうんだ?」
カチーン!!
何かが私の心の中で、凄い勢いで弾けた。
「あ、ん、た、ねぇぇえ!!
さっき!ついさっき!!
あんたはその平々凡々以下の私の!
耳たぶに噛みついたでしょーが!!」
ふ、と笑うは悪魔の笑み。
「平々凡々以下は認めるのか」
今、そんな話、してねぇー!!
いきり立つ私に、海翔様はそっと顔を寄せる。
固まった私に
「俺様が、平々凡々以下から、極上のオンナにしてやるよ」
と耳打ちした。