イジワルな俺様の秘密ライフ
海翔だけは、私の顔を見て柔らかく微笑んだ。
調子狂う──
一気に頬を染めた私の耳に、予鈴が聞こえた。
海翔もそれに気付いたようで、私の脇を通り抜けていった。
すれ違いざまに
「放課後迎えに来る」
と囁いて、教室から出て行く。
背中を見送りながら、そのままストンと席に座った。
私の席を通りかかった大地が、私の机に、一通だけ手紙を置いていく。
「見るんだろ?」
「あ…! うん、ありがと」
大地はこちらを振り返らずに、手だけひらひらとさせて自分の席へと歩いていった。
後ろを振り返ると、ナツとユウくんもそれぞれ自分の席へ向かうところだった。
前に向き直り、手元に置かれた白い封筒を眺める。
封に糊付けはされてなくて、
シュウさんの言葉を思い出しながら、そっと手にとり、開けた。