イジワルな俺様の秘密ライフ
そんな状態を回避すべく思い出したのは、シュウさんに貰ったパズル。
「あ!! 私、用事思い出したっ
ゴメン、先に帰るね!!」
走って帰ってしまえば大丈夫なんじゃないかと思った。
「え、あ……って、アヤさん! 自分の立場──」
モニャモニャと海翔が何か言ってるのが聞こえたけど、
構わずに教室の扉から出ようとしたところで腕を掴まれる。
「オイ」
微かに囁かれた低い声が、私の自由を一気に絡めとった。
「一人になるな。──帰るぞ」
腕を掴んだまま、有無を言わせずに私を引っ張っていく。
痛い、とも
離して、とも言えないのは、
掴んできた手の熱が、私を縛りつけるから。
無言でついて歩く私をチラと見たかと思うと、
その手は下へ降りて、
私の手を握りしめた。