イジワルな俺様の秘密ライフ
大げさな……なんて思ったけど、口には出さないでおいた。
代わりに小さく頷く。
押さえこまれている頭はなかなか動かなかったけど、私が頷いたのは伝わったみたいで、
「わかったならいい」
と手がどかされる。
とたんに軽くなった頭に、海翔の真剣さがうかがえた気がした。
「とにかく、放課後は必ず俺の迎えを待つこと」
「ん……」
返事はしたものの、海翔と帰るのはやっぱり火に油だと思うんだよなぁ。
「ねぇ。一人になっちゃダメってのはわかったけど。
一緒に帰るのはナツや大地じゃダメなの?」
恐る恐る切り出してみたのだが、海翔の表情がみるみるうちに世にも恐ろしいスマイルに変化していく。
「……そんなに俺が嫌?
アイツの方がいい?」
「め、滅相もございません……っ」
ずいっと顔を近付けられ、思わず後ろにのけぞった拍子に、
私の手からカバンが滑り落ちる。
床に落ちたカバンから、突っ込んでただけの手紙がバサバサと床に散らけた。
「あ……」
拾おうと身を屈めた私より早く、海翔がその手紙の一部を素早く掴んでいた。