イジワルな俺様の秘密ライフ
私は海翔にちゃんと伝えていたろうか。
好きという気持ちすら、ちゃんと伝えずに、うやむやにしてた気がする。
海翔に強引にリードされることに慣れ過ぎて、
ずっと受け身になってたような気がする。
でも今海翔が言ってくれたみたいに、
好きとか、
不安だとか、
ちゃんと口で言わなきゃ。
自分の気持ちは、自分にしか口にすることが出来ないんだから。
海翔を安心させてあげられるのは私だけなんだと、
自信を持とう。
「……海翔が一番だよ。
でも、海翔の親衛隊の人たちとか、クラスの皆の目を気にしちゃうの。
まだナツや大地しか話せる人がいないから……学校で海翔と仲良くすると、皆と普通に喋れなくなる気がして……
海翔と仲良くするのが嫌ってわけじゃないよ?
それはむしろ嬉しいし、でも、でもね」
そこまで一気に言った私に、海翔の腕が伸び、
ぎゅっと抱き締められた。
「──わかった」
「ごめんね、海翔」
「謝る必要なんかない。
言ってくれてありがとう」
その言葉に、私の目からまた涙が落ちた。