イジワルな俺様の秘密ライフ
命題インセンティブ
――――――――…
「これはそっちだろ」
「えーっここじゃないの?」
海翔と二人、なんとなく優しい穏やかな雰囲気になった私たちは今、
海翔の部屋で、シュウさんに貰ったパズルをやっている。
私の部屋と間取りは全く同じなのに、少し広く感じるのは、
物が少ないからなのかもしれない。
床がスッキリとあいてるから、パズルもしやすい。
部屋に入るときはめちゃめちゃ緊張したんだけど、
パズルで気も紛れて段々慣れてきた。
意識しすぎてた私がアホかってくらい、
海翔の態度が変わらないのも、緊張をほぐす一因だった。
「あ、本当だ。ここだ」
はめたパズルに声を上げると、
「だろ?」
と笑顔が返される。
にこ、と笑った海翔のその笑顔は、
天使でも悪魔でもなくて、
等身大の男の子。
それがまた私を更にドキドキさせる。
それを隠すように、私はカラはしゃぎをして言った。
「この絵、なんだろうね?
絵がわからないパズルって、こんなにドキドキするもんなんだね」