イジワルな俺様の秘密ライフ


姫香さんが私たちを追いかけて来ようとして、足を滑らせた。



「……ッ!」



そんな彼女を軽々と抱きとめた男子生徒に、首まで真っ赤になっている。

顔は仮面で見えないけど。



──しかし、これはもしや……



「フォーリンラブでございますーーッ!!」


「え!? 学園に魔女っ子!?
どういうこと!?」



シュウさんは抱き止めた姫香さんに驚きを隠せない様子だ。



そりゃいきなり魔女っ子だもんね。



ちなみになぜ魔女っ子のお面をつけているかというと……

あ、ちょうどお面の紐がゆるんでしまったみたい。



「え!? ヒメカ!?」



シュウさんの驚きに満ちた声に、慌てて魔女っ子のお面をつけ直したけどもう遅かった。



海翔のクラスメイトが続けざまに気付いてしまったみたい。


「姫香さんてヒメカだったの!?」


「ヒメカって、モデルやバラエティー、舞台と幅広く活動して超売れっ子の、あのヒメカ!?」


誰だ、最後の説明的台詞を言ったやつは。


ま、それがバレないようにお面をつけて変人を装ってたらしいんだけどね。



いつぞやの段ボールと一緒ですよ。

たぶん。


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