イジワルな俺様の秘密ライフ


「ねぇ、私本当に無理……」



泣き出しそうな私を引きずるようにして、向かったのはお化け屋敷。



私、今世紀最大のピンチ。



ぐすぐすとしている私に構うことなく、

むしろ楽しむかのように、

お化け屋敷に入っていく。



せめて『大丈夫』とか『怖くないよ』くらい言えんのかボケ!!



そして並んでいるときには、目の前でイチャつくカップルもムカついた。



八つ当たり気味の思考回路でかろうじて持っている、私の精神。



そんななか、海翔様が私の耳元に唇を寄せ、

「手、握ってやろうか?」

なんて言うから、更に心臓がばくばくと踊り出す。



「い、いりません!!」

即答したものの、次の順番でいざ入るとなったからすぐに後悔した。



「あの……やっぱり、ちょっとだけ……」



おずおずと差し出した私の手を、

優しくふうわりと温かい手が包む。



指と指が絡まるように握られた手に、少し恐怖もやわらいだ。



いやでも待てよ?



そもそもコイツが入ろうって言わなきゃ良かっただけじゃんかっっ!!



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