イジワルな俺様の秘密ライフ


何でもかんでも思惑通りになると思ったら、大間違いだ!



……でもせっかくの遊園地。



私は下手に出て、

「もう一回お化け屋敷入る……?」

と言ってみた。



怖がる演技をしてあげようと思ったのだが、それも海翔様はお気に召さなかったようだ。



ジロリと私を睨み付けたかと思うと、さっさと私の指差したアトラクションへと歩き出した。


私の手をひいて。



なななななんで手!?



あわあわと手と海翔様を交互に見る私に構うことなく、

私が指差した絶叫系アトラクションへと向かう。



ははーん。もしや。



それに思い当たった私は、列に並びながら、ニヤニヤと海翔様を見ていた。



「なんだ?」



「なんでもなーい♪」



視線に気付いた海翔様が気持ち悪そうに私を見たけど、私の上機嫌は一点の曇りもない。



怖いなら怖いって言えばいいのに~



きっと海翔様は絶叫系が苦手なんだろうと思い当たり、

そしたらさっきの海翔様の苛立ちとか、機嫌の悪さとかがわかったような気がして、

私はひとりでスッキリしていた。



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