イジワルな俺様の秘密ライフ
そう思ったのに。
「よし、じゃあ次はあれだ」
「ま、待って……す、少し休も……」
立て続けに絶叫系をいくつも制覇し、息も絶え絶えの私と、波に乗った海翔様。
……おかしい、絶叫系が苦手なんじゃなかったのか。
そして。
いつまで手を繋ぐつもりなんだろう。
「仕方ないな。じゃあ、何か飲み物を買ってこい」
俺はあそこに座ってる、と言って私に財布を投げ、自分はさっさとベンチへ歩いて行ってしまった。
……逆じゃね?
普通、逆じゃね??
ぶつぶつ言いながら、それでもジュースを買いに行ってしまうあたり、
なんだかパシリ体質になってきたような気がする。
「んなわけ、ないない」
力強く首を左右に振ると、近くにいたカップルがビックリしたようにこっちを見ていた。
私は独り言を言ってしまっていたことを恥ずかしく思って、そそくさとジュースを買おうと海翔様の財布に手をかけた。
……でもなぁ……
私は思い直し、自分の財布を取り出して、ジュースを2つ買ってベンチへと向かった。