イジワルな俺様の秘密ライフ
ベンチのそばでは、女の子二人組が立って海翔様に話し掛けていた。
私は足が止まってしまい、ジュースを両手に持って固まる。
どうしよう……知り合いかな……
ジュース、2つしかないんだけど……
海翔様にひとつ、女の子三人でひとつ……ってわけにはいかないか。
あと2つ買って来るべき?
でもその間にいなくなったら……4つもいらないよねぇ。
私が我慢して、海翔様ひとつと女の子二人でひとつ。
うん、それがいい。
結論の出た私は、足早にベンチへと歩みを再開した。
女の子二人はすっごく美人で、めちゃめちゃ……気が強そう。
ちょっと尻込みしつつ、声を掛けようとしたその時、海翔様が立ち上がった。
「あ、これジュース……んっ」
ぐいと腕を引かれ、
ぽふっと海翔様の胸に飛び込むように顔をうずめさせられた。
「な~んだ、彼女がいるならそう言ってよね!」
「ずっとだんまりしてさ、感じ悪。行こ」
女の子二人の会話に、どうやら逆ナンをされていたらしいと知る。
二人が行ってしまうまで、私はどうしたらいいかわからず、ずっとされるがままになっていた。